金融界のラ・ラ・ランドでは、劇が繰り広げられている。「新」バイデン政権が、2兆ドルの緊急「暫定的」経済刺激案を発表するまでに、1週間とかからなかった。 

世界的にも、その数字はあまりにも大きくなり、大方にとってはあまり問題ではない。少なくとも問題となるまでは!「いつ」問題になるかということは、「どんな」結果となるかよりも、識別することが難しい。このことについては後述することにしよう。

名目として使われている、 コロナ対策、地球温暖化、金利抑制、防衛、社会保障、経済・人種闘争、 この米国政府は、どこをみても、前政権そして前々政権に勝る勢いであることは明らかだろう。

新しく印刷されたばかりの戦利品をばら撒き続けるつもりなのだから、何が問題となり得ようか?

上記の実施にかかるコストは、もはや誰も気にしない。中央銀行、フリーマネー、誰も取り残さない、いくらコストがかかったとしても。 

そして、潜在的な財政打撃、あるいはより最悪のケースについての解説の欠如は、あまりにもなさすぎて、まるでお笑いのようだ。そして、注意を払う本能的な強さに欠けている投資家にとって、以下のチャートが役に立つのではないだろうか。

当然ながら、このバブルを早々と脱した人たちは批判の対象となっている。まあ、残った投資の成果にもよるが。

現在のマニアの典型的なイメージにおい重なっている人たちは、深刻な代償をはらうことになるだろう。

大騒ぎが今どこにあるかを 見るのはたやすい。

最近、 ポール・シンガーグラント・ウイリアム氏のポッドキャスト、「エンド・ゲーム」 のゲストとして登場した際の話を聞くのは実に興味深かった。

仮想通貨とテスラの「強気相場」は、ポール・シンガーのような人物を、金のような過ぎ去った時代の遺物と呼ぶ。

我々にとっては、彼は経験豊富な投資家であり、何世紀にもわたる経済史を理解する、現実主義者である。

彼は、中央銀行が必要な限りお金の価値を歪めることは何も問題でないという、「多くの」揺るぎない信念に驚いている。

この歪みの影響は、中央銀行や政府の政策対応と同様に、日毎に明らかになりつつある。

こういった理由から、重要な点で、我々はシンガー氏に全くをもって同感だ。現在の構造の下で、金融システムの「作業中のスパナ」を駆動し、「何か」が完全に狂ってしまうことの必然性は、100%であろう。

だが、「何」が?

通常このレポートでは、読者の方をさらに「ミステリー領域」に送り込まないように、債券市場については言及することは躊躇しているが、債券市場は重要である。

システミックな破損は、債券市場にて最初に認識されるというシンガー氏の結論は、慣例上は正しい。資本を守りたいという人でなければ債券投資家ではないだろう。

しかし、一つ小さいが問題がある。1月前半に示されたように、金利が上昇すると彼が考える場合、金利抑制(債券保有者の資本損失の上限)に対する世界の中央銀行のコミットメントを非常に過小評価している。

そうなると理由付けは簡単だ。もし債券利回り(ソブリンとコーポレート)が上昇した場合、さらなる通貨発行による収益化なしに、追加の利息を支払う能力はありえない!収益はどうなるのかだって? 無限に通貨ができるときに収益を気にする人は、借金が大きすぎるときにそうしなければなりません。

シンガー氏のインフレの結論は正しいが、債券金利の上昇においては見られない。「インフレ」についてあまり見解のない人たちに申し上げるが、インフレは、過去10年の間に目の前で起こっている現象であり、債券市場を含む(というよりそこに顕著にみられる)資産市場において起こってきた。

これはまさに 中央銀行が欲していたことであり、資産価値のインフレ、資産効果が一般経済に流れ「下がる」ことを「望む」ものである。我々は意義を唱える。そして、インフレが資産市場の上昇に現れたため、多くの人々(資産をもたない)は取り残され、そのゆえ、富の不平等の大きな隔たりとその社会的徴候が拡大しているのである。

ほとんどの投資家は、「何か」が壊れそうだということを本能的に感じている。それは正しいだろう。だが、彼らが間違えているのは、壊れる前に逃げでることができる自身の能力に対する自信である。誰もが見逃す「鮮やかな信号」を見て!

ここまでお読みいただけたら、前回プレミアムメンバーと共有したポートフォリオの動きについて、興味をもっていただけるかもしれない。我々は、これまで以上にリフレ取引が行われると信じている。このサイトの過去の投稿をよんでいただければその論文をみることができるだろう。

マクロの話に戻ろう。前トランプ政権の選挙公約であった政策(MAGA、均衡のとれた予算案、責任ある財政)が実行できなかったことは、現政権にとって、彼らが望むことは何でもできるというような単に青信号となった。発進することは間違いないだろう。以下についてはどうだろう: コロナ経済対策(build back better)、気候変動・ニューグリーンディール、経済・人種の不平等との戦い、金利抑制、防衛?

これらすべての問題と投資家への影響の流れは、世界的(オーストラリアを含めて)に今まで以上に巧みに掲げられている。何度も繰り返すが、皆さんがわからないのはタイミングであり、我々の見解では今まさに起こっている!

インフレがこの混乱の現れであるとしたら、何をすべきか?

最初にいえることは、主流経済メディアに掲載されるまで待ってはならない。物理的資産は常に時の試練に耐えてきた。

インフレのトピックに関して言えば、債券金利の上昇と貴金属価格が、真剣な投資家からのインフレ期待の最も確実な兆候であることを再認識する必要がある。 

したがって、中央銀行が、金利抑制によって債券金利・価格をコントロールしたくないわけがない。金利が上昇すると債券保有者は資本を失う。これは許されないことなのだ。

数千年前から存在しているインフレの兆候を示すものが他にある。貴金属、特に金や銀だ。特大のデリバティフレバレッジを通して債券の金利・価格が「管理」されているということ同様、金価格が、中央機能であるBIS (国際決済銀行) のような機関のレーダーにかかっていないと考えることは、ナイーブである。

以下に示すように、いつもながらこのダンピングはニュースではなかった。1分間で26億米ドルは、さらなる景気刺激の準備だろうか?

これが協調的な操作であると言っているのではなく、上記のチャートは我々のものではない。キャンセルされたくはないが、煙のないところに火たたず?

ともかく、金と銀のインフレ対策資産への投資が足りない方々にとって、現在の金属と金鉱株で購入することができることに感謝するべきだ!

舞台はかつてないほど整っている。

特に銀に関しては、入手できる最も安い金属(以前は貴金属だった)である。

この世界的なビルド・バック・ベターの「意図しない結果」に関連する他のコモディティー市場において、資本市場にお金をかけていく「化石」燃料エネルギー生産者になりたいとは思う人はいるだろうか?エネルギー価格の上昇などといった、意図しない結果がたくさんあるのは、なんと皮肉なことか!

また以前触れたように、銅、ニッケル、マンガン、プラチナ、希土類などにおいても、もう新しいとはいえないグリーンニューディールの価格兆候をあらゆることろで見ることができる。株式と比較して、コモディティーは良いポジションに思えないだろうか?アドバイスではないのであしからず。

ボーナスチャート

あのずるいロシア人が何を知っているというのか?!

平和あれ。