マネーは一体どこへ?あっちに1兆ドル、こっちに1兆ドル・・・先週のアメリカでのマネーサプライは、まるで風船に空気をいれたかのように、1週間で3630億ドル(39兆円)に膨れ上がった。
マネーがどこに行ったのかというさらなる議論はやめておこう。しかし、忘れてはならないのは、コロナウィルス危機の最大の恩恵者は世界の官僚たちである。
実際の数字についてはあとで詳しく見ていくが、今のところ政府機関が閉鎖されたという話はあまり聞かないどころか、中には資金を莫大に増やしているというだけにとどめておこう。「Whatever it takes―何がなんでも」というわけだ。
Marc Faber(マーク・ファーバー)のBoomGloomDoomサイトにおいて、今月のコメントやマークが実際にコロナ参事の支出と受益者を直接示唆していることは驚くことではなかった。
このわずかな官僚的な副作用を検証していくのにまず見ていくべきなのが(すでにお気付きとは思うが)、世界の中央銀行は、現行の資産価格を維持するためであれば「Whatever it takes mode ― 何がなんでも」と構えているということだ。
単純に、もし資産価格が20兆ドル下落したとしたら、20兆ドルの紙幣を発行して「高値」を維持するということだろうか?
システムはそんなに危ういのか?
マーク・ファーバー(MF)に話を戻そう。彼は、世界中で創造されているマネーは、「ディープステート」の仲介者である「官僚」が、 intermediaries, including and especially “the Bureaucracies” are in the box seat for a little 10 -20% “commission” on the total money created.
MF:さて、2020年の世界の財政赤字が訳10%だと仮定しよう。言い換えれば世界のGDP(総生産)85兆ドルの10%、つまり8.5兆ドルを世界の中央銀行が融資するというわけだ。
先に示したように、株式市場は最高値から約17兆ドル下落している。8.5兆ドルの財政赤字に17兆ドルを足した約25.5兆ドルを中央銀行が負担するか債券を発行して紙幣を発行することで現状を維持し、株式市場が以前の高値まで持ち直すことができるというわけだ。
Copernicus already pointed out that the problem with money printing was that the printed money would 一つでもあるだけで 我々はこの22.5兆ドルがどこに流動していくのかを考える必要がある。私が確信している点は、バングラディッシュの難民キャンプや世界の大都市にあるスラム(貧困地区)において、非人道的な環境で暮らす貧しい人々の手にわたるのは、この莫大なマネーのほんの微々たる額のみであるということだ。
同様に、私は、世界の官僚(政府)たちが、比較的致死率の低い感染症の世界的流行をもとに、1年前には誰も想像し得なかった世界経済危機を起こしているということを認識している。同時に責任のなすり合いはエスカレートしていくだろう。現在悪者は中国である。
仮に世界官僚制が誠実だとしても(誤算ではあるが)、彼らは22.5兆ドルに対して約10−20%のわずかな「コミッション」をとるのだから、その額は2〜4兆ドルとなる。世界官僚制(ディープステート)こそがこの危機の受益者なのだ。
ディープステートはその規模と権力、報酬を拡大していき、貧困者が敗者となる。
以上のコメントを読んで、この貨幣錯乱状態が、なんらかの社会主義「ユートピア」へと導びかれていくのではないかという結論に達したとしたら、それは必ずしも正いとは言えない。「ユートピア」ではないからだ。
面白いのは、前回の危機では官僚がとった対応によって、我々はこのツケの中にいるということだ。ほとんどの投資家は自覚がないが・・・。
大量の簡単に手に入るマネーと低金利は、さらなる負債とレバレッジを誘導し、過去同様の問題を10倍もの大きさで引き起こすだろう。
オーストラリアの不動産は最も大きなシステミックリスクであるが、アメリカという企業が、株価やボーナスを上げることで経済安定を目指そうとしてとったレバレッジは、過去10年間の何事をも過少化するだけでなく、アメリカ、日本、ヨーロッパ、中国のそれぞれの政府支出をもである。
次のグラフのパターンをみてみよう。
バックファイヤーが起こるのは目に見えている。
4月20日に原油価格がマイナス40ドルをつけたのを知っているだろうか。5月はの見通しはさらに暗いという。
満タンなのだ。シンガポール沖で「待機」しているタンカーがある理由がわかるだろう。これは他の地域でも同じだ。
ガソリンを満タンにしたら、石油会社からお金がもらえるとは誰が想像できただろうか?馬鹿げているといわれそうだが、実際馬鹿げたことである。だが、マイナス金利も同様ではないか。
「The Recovery – 再生」という幻想を維持するために作られた「超簡易マネー」の結果が生み出した一例である。
このイラストが示唆しているところである。
MFのコメントからさらに・・・
将来、あなたの子供が現在の低迷について質問をしたら、即答は「すべてコロナウィルスが引き起こしたんだ」となるだろう。
しかし、興味津々の孫がさらにこう尋ねるかもしれない。「どうして致死率がそれほど深刻でない感染症が、世界経済の惨事を引き起こしたの?」
すると、2008〜2009年の世界経済危機(GFC)からの復興が、負債によって融資された架空のもので、財政赤字と紙幣発行によって超貧弱な経済システムが作られたのだ、と説明をせずにはいられないだろう。
この指摘は上のイラストに行き着くだろう。
いや、まだ先があるようだ。
収入を切り離して資産価値を守ろうとするのは、まさに「目下」のみという愚行である。
この3ヶ月の状況の後に、世界経済の「再スタート」がそう単純であると思うとしたら、どんな情報に由来してそう思うのか、よく考えてほしい。
減少する収入と世界GDPに面して世界の中央銀行が資産価格を守ろうとすることは、不況をさらに加速させるだろう。
だが、失策であろうが、プランZがプランAを28回することだとしたら、失敗はありえるだろうか・・・
単に時間の問題である。
明るい点に目を向けてみよう。先にあげた原油価格がマイナスになったというニュースは、先物投機によって起こったもので、産油会社がデリバリーを要請したために保管場所の確保が難しくなったことが関係している。
同じことが金相場で起こり得るとしたら、真逆のシナリオになる。
金のデリバリーを待つ人たちは、供給が足りないことを知っている。
ということは、以下のグラフのような動きの説明がつく。
15,000 contracts pushed through in a few minutes これは「ベストプライス」を求めている人のものではない。
さて、どうなることか・・・。