どうやら、今まで同様の週明けとなりそうだ。全ての関心は中央銀行に向いている。

レトリックはいつも同じ。「資産市場でバブルが存在するとは思わないが、存在のしないバブルに、現在の全ての空気をさらに空気を送り込んで入れ替えるために、考えられるあらゆる便宜を尽くす」

前代未聞の規模の通貨発行という用立ては以下のチャートが示す通り。

米連銀が先週発表したように、低金利の保証は、いつまで、 いつまで、 まるで永遠のことのようだ。オーストラリアでさえ、金利はすでにマイナスと言えるだろう。

「バブルは存在しない」というものの、情深い政府の恩恵による新札を使い、週末のスポーツ賭博での賭け事にから株式市場への投機へと流れていった、新しいタイプの投機家を生み出すはめになった。

この新しいタイプの「投資家」のイメージキャラクターとして知られるデーブ・ポートノイ(写真)のプロフィールをみれば以上のことは明らかだろう。なんとも、この男は最近かなり「イケてる」らしく、アメリカ大統領とも面会したという。

問題は、狂ったような自己肯定感とかなりのレベレッジによって、おそらく今頃いくらかの痛みを感じていることだろう。しかし、彼は大丈夫だと確信している。なぜなら「株は必ず上昇するもの」で「下げた時は買い時」というのが、過去約12年間の安定した戦略なのだから。

さて、ここにきて話は面白くなってくる。デーブが気づいているか否かはわからないが、彼の全ての投資戦略は、ヨーロッパ、日本、米国の中央銀行が、日本とスイスの中央銀行の通貨発行を模倣として、(存在しないとされる)資産バブルを続けていくことに完璧に依存している。

以下のチャートをみて、我々はいつも暗いニュースばかり発信していると嘆かないでほしい。まだまだ先はあるように「みえる」ではないか。

Source: Grant Williams, TTMYGH

さらにいえば、これらの中央銀行のたくらみは、国内のニュース配信ソースから公表されるビジネスニュースからは程遠いように見えるが、現在存在する金融システムは米ドルをグローバル基準通貨とすることで成り立っている。それこそがなぜ一番重要なのかという理由である。

かくして、米国債が、第2時世界大戦後に始まったこの現在のシステムの根底にある。1971年に金と米ドルの「基準」をアメリカが廃止したように。

このシステムにとって最も大きく迫っている問題は、「通常」と比べても、また通貨との関連からしても、アメリカ財政の危機的な状況である。

米ドル保守のための「綺麗なもっとも汚いシャツ」という見解を論じる人は、同様に他に実行可能な方法がないからこのシステムを変えることができないという論議をする者である。後者の論議には全く賛成だが、前者はそうでもない。

以下、米国予算の軌道が読み取れるだろう。

ここに、あらゆるアセットクラスに付随するデリバティブがもつ京の単位のものを加えたらどうなるか・・・。心配いらない、すべては差し引きとなる。

「オイルマネー」の基準通貨としての米ドルの価値が、特にテック関連の上昇を傍目に、徐々に弱まっていることをみると、アセットマネージャーやプライベート投資家がかなりの資産を、地銀や金鉱株などの金資産に投資するのにここまで長い時がかかったというのは驚きだ。多くの個人投資家が貴金属投資に未だETFを使っているというのもおもしろい。

そうといっても、多くのアナリストによると、全ての投資資産における金の割合というのは、現在は0.4〜0.5%だそうで、過去数十年の平均とされる5%や多い時は10%の年が数年続くという状況と比べるとかなり低い。

この興味深い数字は、 マークファーバーの最新の分析にみられる以下のチャートが示している。

世界のファミリーオフィスの戦略的資産配分2019年

UBS, Campden Global Wealthより

So, even professional family offices have less than a 1% exposure to gold right now? Even with the current money printing madness and inflationary threats breathing down our necks?

It’s hard to see this staying under 1% for much longer. Precious metals have the smallest market share of savings and investment products they’ve ever had globally. The question will be, what price will those late to the party have to pay for entrance?

近いうちに、貴金属への配分についてのコメントを述べるのが楽しみだ。そのときまで、以下の1930年代のエクイティの類似系が続くだろう。デッドキャットバウンス?